スーパーチューズデーの何がスーパーでなぜチューズデー(火曜日)なの? アメリカの選挙制度

社会・政治

2020年3月3日のスーパーチューズデーは2020年アメリカ政治の重大イベントです。

スーパーチューズデーって何でしょう? 何がスーパーで、なぜチューズデー(火曜日)なのでしょう? 動画で見てみましょう。

スーパーチューズデーって何?

Washington Post(登録者数98万人)の動画です。

What is Super Tuesday?

アメリカの大統領選挙は11月に行われます。それ以前に、共和党と民主党がそれぞれ最終的な候補者を選ぶために予備選挙が行われます。共和党は現職のトランプ大統領で決まりですが1、民主党では現職に勝てる候補を出すための真剣勝負が行われています。

民主党の候補者は7月の党大会で確定します。党大会の代議員を各州で選ぶのが予備選挙(もしくは党員集会)です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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予備選挙・党員集会はこれまでに、2月3日のアイオワ州(ブティジェッジ氏勝利)、2月11日のニューハンプシャー州(サンダース氏勝利)、2月22日のネバダ州(サンダース氏勝利)、2月29日のサウスカロライナ州(バイデン氏勝利)と4つの州で行われてきました。

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3月3日には予備選挙・党員集会がアラバマ州、アーカンソー州、カリフォルニア州、コロラド州、メイン州、マサチューセッツ州、ミネソタ、ノースカロライナ州、オクラホマ州、テネシー州、テキサス州、ユタ州、バーモント州、バージニア州(およびアメリカ領サモア)で行われます。これがスーパーチューズデーです。

今年の党大会の代議員のうち1/3がスーパーチューズデーで決まります。実施する州の多さ、代議員数の多さが「スーパーチューズデー」と呼ばれる理由です。

スーパーチューズデーの注目度が高いのは、これ以前に予備選挙・党員集会を実施した州よりもスーパーチューズデーの州が合衆国全体を代表しているからです。スーパーチューズデーが指名される候補者を決めるとされています。

そのため、スーパーチューズデーの前後には候補者の動きが慌ただしくなります。初戦のアイオワ州で勝利し一気に浮上したブティジェッジ氏はスーパーチューズデー直前に撤退を表明しました。

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一方、これまでの予備選挙・党員集会ではほとんど選挙運動をしてこなかったブルームバーグ氏は、スーパーチューズデーに参加する州に集中的に(ほかのすべての候補の合計以上の)資金を投下し、一気に優位に立とうとする戦略だと報じられています。

Bloomberg is crushing all other 2020 Democrats with his ad spending in Super Tuesday states
Mike Bloomberg is highly focused on Super Tuesday states, leaving the rest of the Democratic field battling it out in Iowa and New Hampshire.

候補者が決まる? この日に集中する理由は?

スーパーチューズデーで民主党の候補者は決まるのでしょうか? そうでもなさそうだ、というのがこちらの動画です。チャンネルはCNN(登録者数865万人)です。

What’s so ‘super’ about Super Tuesday?

というのも、代議員はある程度比例的に配分されるので、誰か一人が総取りすることはないからです。

それでは、スーパーチューズデーに予備選挙・党員集会を行う理由は何でしょう? 予備選挙は2月から6月まで長期にわたって行われます。早い時期に実施すれば、候補者選びに強い影響を与えられます。そのため、それぞれの州は早い時期の実施を求めてスーパーチューズデーに実施します。スーパーチューズデーに予備選挙・党員集会を実施する州は年ごとに異なります。

実際、カリフォルニア州はかつては6月に予備選挙を行っていました2が、6月には候補者はすでにほぼ決まっていることが多く、カリフォルニアの予備選挙はあまり意味がありませんでした。そこでスーパーチューズデーに日程を移しました。

その結果、カリフォルニア州は多くの候補者にとって資金と人員を投入すべき州になりました。今回、ブルームバーグ氏は$40ミリオン(約43億円)をカリフォルニア州での宣伝に投入しています。カリフォルニア州の戦略は当たったと言えるでしょう。

火曜日に行われる理由

アメリカではスーパーチューズデーに限らず選挙は火曜日に行われるのが習慣です。大統領選挙も11月の火曜日です。なぜ、火曜日なのでしょうか?

こちらのジョージタウン大学のチャンネル(登録者数1.69万人)の動画で説明されています。

Why is Election Day on a Tuesday?

大統領選挙を含む国政選挙はアメリカでは1875年以来、11月の最初の月曜の翌日の火曜日に行われてきました。

11月なのは、19世紀には多くのアメリカ人が農業を営んでいたからです。11月なら収穫が終わっていて、時間に余裕があります。

火曜日である理由は、宗教です。19世紀には自動車がありませんでした。投票所まで馬車で移動するのは時間がかかります。日曜日は教会に行く必要があるので、その前日(土曜日)や翌日(月曜日)は好ましくありませんでした。火曜日なら月曜に出発すれば投票所に到着できます。

「11月の最初の火曜日」ではなく「11月の最初の月曜の翌日の火曜日」なのは、11月1日を避けるためです。11月1日は諸聖人の日(ハロウィンは諸聖人の日の前夜祭)だからです。「11月の最初の月曜の翌日の火曜日」にしておけば、11月1日が火曜日だった場合、選挙は11月8日になります。

このようなわけでアメリカでは選挙と言えば火曜日なので、スーパーチューズデーも火曜日なのです。予備選挙・党員集会の多くが火曜日です。

このような事情で決められた日程なのですが、現代では状況は変わりました。現代人の多くは会社で雇われていて、土日の方が投票に出かけやすいでしょう。火曜日が投票日なので投票権を行使できない人が多いとも批判されています。一部の州では投票日を祝日にしていますが、多くの州では違います。

アメリカで投票を妨げていると指摘されるもう一つの要因についてはこちらの記事をご覧ください。

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  1. 州によっては共和党も予備選挙を実施しているが、これまでのところトランプ大統領が圧勝している。
  2. こちら

    How Do Super Tuesday Primaries Work?

    の2016年のスーパーチューズデー直前に作られた動画の冒頭の地図にはカリフォルニア州は入っていない。

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