FaZe Banks、CS:GOスキン賭博サイトの運営を認める!一日20万ドル儲けていた?

YouTuberニュース

YouTuberでプロゲーマー集団FaZe Clanのオーナーの一人、FaZe Banks(本名:リチャード・ベングストン)がCS:GOのスキン賭博サイトを運営していたと話し、衝撃が広がっています。

FaZe Banks receding hairline

ザビエル系男子ことFaZe Banks

マネージャーの兄弟が司会を務めるポッドキャスト『BADNWZ By Tal Cooperman & Matt Crist』に出演したFaZe Bankは長い間、ウワサはあったものの否定していた疑惑について真相を話しました。

https://anchor.fm/badnwz/episodes/Episode-11—We-All-Have-A-Double-Life-w-Banks–Taav-edro1f

CS:GOとは何か、スキン賭博とは何か、FaZe Banksの発言の何が衝撃なのか、そして何が問題なのかをこの記事では解説します。

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CS:GOとは?

CS:GOは“Counter-Strike: Global Offensive”の略で、テロリストと対テロ部隊に分かれて対戦するFPSゲーム1です。“カウンターストライク”シリーズは別のゲームのMOD(追加モジュール)として1999年に始まりました。2000年には単体版が発売され、バージョンアップを重ねて2012年に発売されたのがCS:GOです。Windows用ゲームですが、Xbox版やオンライン版もあります。

こちらの動画ではYouTuberのPokimaneがCS:GOをプレイしています。

Fitz and Pokimane FINALLY REUNITE – First Time CS:GO!

CS:GOは世界的に人気で、こちらによればこれまでに数千万ダウンロードに達し、一ヵ月あたり数十万人がプレイしています。

eスポーツ大会も多く開かれています。こちらはドイツのeスポーツ運営企業ESLの主催するIntel Extreme Mastersの2018年の世界選手権大会の決勝の様子です2。ポーランドのカトヴィツェで行われました。大きな会場が満席になっています。

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(2023年11月26日:削除されたYouTube動画をキャプチャ画像で置き換えました。)

決勝戦では16チームの中から勝ち上がったFaZe ClanとFnaticが対戦しました。この時のFaZe ClanのチームメンバーはGuardiaN、olofmeister、NiKo、rain、karriganでした。

激闘を制したのはFnaticでした3。第1位のFnaticは$250,000、第2位のFaZe Clanは$100,000の賞金を得ました。

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スキン賭博

CS:GOでは、スキンと呼ばれるアイテムでプレイヤーの姿や武器の見た目を変えることができます。スキンを使うと武器の見た目は変わりますが、強さは変わらないのでゲームで有利になるわけではありません。しかし、希少性の高いスキンには人気が集まり、Steamのマーケットプレイス4で高値で取引されるようになりました。スキンの取引を専門とするサイトも出現し5、スキンは資産か仮想通貨のように扱われています6

こちらの動画ではCS:GOのスキンを紹介しています。

MY TOP 10 FAVORITE SKINS IN CSGO

スキンが仮想通貨として使われるようになると、CS:GOの試合結果にスキンを賭けることも行われるようになりました。さらに、CS:GOとは関係ないギャンブルでコインやお金の代わりにスキンが使われるようにもなります。これをCS:GO skin gambling(スキン賭博)と言います。

スキン賭博はどれぐらい広まっているのでしょう? スキン賭博については詳しい調査がまだあまり行われていないようですが、こちらの報告はこれまでに行われた調査をまとめています。この報告では、スキン賭博は2016年で$4.8ビリオン(約5000億円)の売り上げになっているという推計が紹介されています。これは途方もない額です。

また、この報告では、若者たちは年長者に比べてeスポーツに関係する賭博をしたことがある率が高く、またそのとき現金ではなくスキンを賭けている率が高いというイギリスの研究も紹介されています。2017年で11歳から16歳の子どものうち11%がスキン賭博をしたことがあるそうです(男子に限定すると20%)。さらに、スキン賭博をしたことがある子どもたちのうち36%が過去7日間にもしたと答えています。スキン賭博を盛んにしている子どもがそれだけ多いのです。

FaZe Banksの告白

これだけ巨大な市場であれば、参入したいと思う、悪い人々も多くなります。FaZe Clanのオーナー、FaZe Banksもそうでした。

しかし賭博ですから、個人や企業が勝手に営業するのは違法です。米国でも、カジノを営業できるのは限られた地域で、特別な許可を受けた企業だけです。

しかし、FaZe Banksによれば抜け穴があるのだそうです。

知ってるかわかんないけど、スキンってのがあって$10,000(約100万円)で取引されることもあるんだよ。それをギャンブルにしてるサイトもある。政府は価値を認めてないから、スキンの取引はグレーなんだけどさ。

CS:GOのチームを買うために資金が1億円必要だった。数年後に価値が跳ね上がる前に、手に入れたかったから、その資金稼ぎに俺らが目を付けたのがスキン賭博ってわけ。

そこでギャンブルのためのペーパーカンパニーの所在地、カリブ海に浮かぶ島アンティグア・バーブーダを訪れてギャンブルサイトを運営するために必要な許可証を入手したんだ。

プライベートジェットで乗り込んで、アンティグアのお偉いさんに$100,000(約1000万円)を払って許可証もらって、サイトを運営してた。誰も見向きもしないような、観光資源もない島でさ。

こうしてFaZe ClanはCS:GOスキン賭博サイトCSGOWildを2015年から2017年まで運営していました。

CSGOWildでは一日あたりでFaZe Clanに利益が$200,000(約2000万円)出たのだそうです。これは世界選手権大会の決勝でFaZe Clanが得た賞金の2倍です。

2020年5月11日のEsports Talkの動画です。動画40秒からFaZe Banksがポッドキャストで話した内容です。

FaZe Banks Admits FaZe Clan Ran a CSGO Skin Gambling Site

黒いウワサは以前からあった

CSGOWildを運営しているのがFaZe Clanではないかというウワサは以前からありました。2016年にHonorTheCallはこれを告発しましたが、FaZe rainらから強く否定され、裁判をちらつかされ…

彼らはこのサイトすごいよ、やってみたらこんなに儲かった、と宣伝しています。

FaZe Adaptの動画です。

こちらはFaze rainの動画です。

FaZe Clanが運営しているサイトだとは明示していません。これは明らかな利益相反です。大当たりしたと言っていますが、オンライン賭博サイトの運営者側なのですから、いくらでもインチキができるでしょう。子どもたちをだまして金を巻き上げようとする魂胆が見え見えです。eスポーツプレーヤーにあこがれる子どもたちをだますのは造作もないことでしょう。

CSGOWildを宣伝し、自分たちは運営していないと主張し、記者を脅していた7FaZe Banksが、今になって事実を語り出したのは不可思議です。

チャンネルEsports Talkの司会者、ジェイクの動画です。動画でFaZe Banksがポッドキャストで語った内容をFaZe rainが否定していると話しています。「FaZe Banksの失言だ」とFaZe rainはジェイクに言ったそうです。

こちらはESPNのeスポーツ担当記者のジェイコブのツイートです。

「何年も賭博サイト運営の疑惑を否定してきたが、今になって話した」と紹介しています。ジェイコブはこちらの記事でFaZe Clanの悪質な商売方法(違法行為)を辛辣に書いています。良い記事です。

FaZe Clanはバーバンクに大邸宅を持っていて共同生活していますが、子どもたちから巻き上げた金で豪勢な暮らしをするのは許しがたいことです。

Revealing The New $30,000,000 FaZe House

今回ポッドキャストでFaZe Banksがうっかり漏らしてしまったので真相が明るみに出ましたが、さもなくば疑惑は闇に葬られたままだったでしょう。

「ウソは後ろからはげる」ということわざがあるそうです。FaZe Banksの頭頂部は立派なハゲです。こちらの動画をごらんください。

What's under Faze Banks hat? (Faze Banks is bald)

どうやらFaZe Banksのウソは頭のてっぺんからはげているようです。賭博ビジネスは帽子では隠せません。

Image: The Big Issue with FaZe Clan and CSGOWild

  1. FPSはFirst Person shooterの略。一人称視点(プレイヤーキャラクターの視点)でマップ内を移動し敵と戦うゲーム。“Call of Duty”などもFPSゲーム。
  2. Intel Extreme Mastersのシーズン12では、CS:GO以外にスタークラフトの大会も行われた。
  3. こちらの観戦記が詳しい。
  4. SteamはPCゲームダウンロード販売プラットフォーム。利用者間でアイテムを取引できるマーケットプレイスもある。
  5. Steamのマーケットプレイスでは高額取引ができないため。
  6. 詳しくはこちらを参照。
  7. Esports Talkの司会者ジェイクは2016年に報道していたが、ウソつき呼ばわりされていた。
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