ファッションアプリDoteの問題って?モデルが話す改善しなくてはならないこと

社会・政治

ファッション通販アプリ「Dote」が意外な方面から問題になっています。Doteはティーンの女の子向けのファッションアプリで、インフルエンサーが着用している衣類を購入したり、メッセージを共有できる、というものです。

インスタでもショッピング機能が導入され、気になる商品を実際に購入できるようになりました。そんなショッピング機能に特化したアプリがDoteです。モールで友達と楽しくショッピングする感覚を再現しているそうです。

Doteはエマ・チェンバレン(Emma Chamberlain)やエリー・スーマン(Ellie Thumann)、ハナ・マロウシュ(Hannh Meloche)といったティーンYouTuberを広告に起用しています。

Doteの公式インスタの投稿です。左から、ハナ、エマ、エリー。

こちらはYouTuberのエイヴリー

みな可愛く、おしゃれで、アプリの対象年齢の女の子に人気のインフルエンサーです。しかし、Doteが起用したインフルエンサー(モデル)たちから声が上がりました。どんな問題が起こったのでしょうか。

Doteの撮影会

YouTuberのティファニー・ファーガソン(Tiffany Ferguson)の動画です。今回のDoteの問題を上手にまとめています。

Dote – An Example of Selective "Diversity"

本記事はこちらの動画の内容に即しています。

Doteはインフルエンサーの女の子たちをバリ島やコーチェラ野外音楽祭などに招待し撮影会を行なっていました。インフルエンサーは旅行中Doteの商品を着用しモデルになれば旅費は全部タダという気前のいい条件でした。インフルエンサーがDoteのモデルに起用されるのは、トップモデルがヴィクトリアズ・シークレットに起用されるようなものです。

しかし、Doteの撮影会に参加したインフルエンサーたちが問題提起をする動画を投稿し始めました。

人種構成が不自然?

Where is the DIVERSITY on YouTube ?

YouTuberのキーシャ(ItzKeisha)の動画です。題名は「ユーチューブの多様性はどこ?」です。

Doteの撮影旅行に参加したインフルエンサーから「Doteモデルの人種構成が偏っている、旅行中に滞在した部屋まで人種ごとに分かれていた、差別なのか?」と疑問の声が上がっているとキーシャは言っています。

2018年の国勢調査では、アメリカの人種構成は白人(white)が60%、非白人1が40%です。この統計によると10人女の子がいれば、4人はマイノリティーがいるのが自然です。しかし、Doteは白人のインフルエンサーばかりを起用しアフリカン・アメリカンはたった1人という旅行(撮影会)もあったそうです。

今年のコーチェラの宿2ではアフリカン・アメリカンのインフルエンサー達は大部屋に集められ、部屋の四隅のソファをベッド代わりにさせられました。かたや、白人のインフルエンサーは人数が多いこともあり個人の部屋があったり、2段ベッドだったり、やや格が上だったようです。

この人種ごとに部屋を分けるシステムは違和感があったと参加したインフルエンサーは話しています。

what really went down on the fiji trip

YouTuberのキアナ(Kianna Naomi)の動画です。キアナはDoteのフィジー旅行に参加し、疎外感を感じたと話しています。

体型に関して

問題は人種だけではありません。Doteは細く、華奢な体型をしているインフルエンサーをよく起用していました。

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Thinking back to #TexasTakeover with these amazing #dotegirls

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こういったスリムなインフルエンサーばかり起用するのは平均的な女の子を無視している、もっと現実を反映して多様な体型のモデルがいるべきだ、との声も上がりました。Doteの主要なユーザーはティーンなので、細いモデルだけを取り上げて痩せないとと思わせるのは、不健全です。

というのも、アメリカの平均的な女性の体型はサイズ16と言われています。平均身長は160cm、平均体重は76kgです。ウエストは96cmです(サイズ16は日本の19号に相当)。

こちらは歌手のリゾ(Lizzo)です。ファッション雑誌の表紙を飾ったり、モデルとしても活躍しています。従来のモデルは細く、針金のような体型でしたが、近年リゾのようなふくよかで現実的な体型をしたモデルも多く見受けられるようになりました。

Doteの対応は?

問題提起の動画が複数YouTubeに投稿された事実を真摯に受け止め、Doteは改善に努めると声明を出しました。

こちらは改善後の投稿です。

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this is what dote looks like

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キャプションには「Doteはこのようなアプリです」と書いてあります。以前の投稿より多様性を感じますが、ダメージコントロールのため急ごしらえした印象を受けます。Doteはインスタの過去の投稿3をだいぶ削除していました。参加したインフルエンサーの問題提起から日が浅いので、今後Doteの対応がどうなるのかが注目されます。

問題はなぜ起こったか?

最初に紹介した動画の投稿者ティファニーは白人です。ティファニーは白人なので人種差別の感覚に疎く、問題を感じにくいと話しています。ティファニーはDoteの経営陣の人種構成にも注目しています。白人が多いから人種的配慮に欠けていたのでは?と指摘しています。

部屋割りに関しては、既に仲良しグループになっていたインフルエンサーを一緒の部屋にして、新しく参加した子達を別の部屋にしたとしたら、結果として人種ごとに分かれてしまっただけかも?と(動画が削除されてしまったので紹介できなかった)エリス(Eris the Planet)は話していました。

部屋割りに差別的な意図があったわけじゃないと思う、とDoteの擁護をしていました。

今後は

改善が求められているのはDoteだけではありません。不自然な人種の偏りや極端な体型のモデルばかりを広告に使うのは問題だと言われるようになったのです。たとえばリアーナ(Rihanna)のブランドは、このようになっています。

モデルのサイズ、人種が配慮されています。リアーナが多様性を重視しているのをモデルの選定に反映しているのです。

アメリカン・イーグルの下着ラインAerieでも多様な背景を持つ女性を起用しています。モデルになったのは消費者が共感し、勇気が湧くようなメッセージを発信する女性たちです。

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Doteの問題からわかるとおりファッションアプリの宣伝一つをとっても、現代のアメリカではいろいろな配慮が必要なようです。

日本では人種の多様性を意識する機会はアメリカほど多くはありませんが、どんな体型の人でも尊重されるのが大切なのは間違いありません。同じ国の中でともに暮らしている多様な人々をそれぞれ尊重するのは今後ますます重要になるのではないでしょうか。

参考: United States Census Bureau
Size, by the Numbers

  1. Black or African American, American Indian and Alaska Native, Asian, Native Hawaiian and Other Pacific Islander, Two or more racesを指す。
  2. Doteはコーチェラへ多くのインフルエンサーを招待していました。
  3. 人種の偏りがあると思われる写真が相当数ありました。
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